2012.10.6 オタルまちかど大学第2期 第2回目が開催されました

テーマ:「小樽の生き生きシニアから元気をもらう」

会場:小樽市生涯学習プラザ「レピオ」

パネラー:

井上 一郎さん(株式会社光合金製作所会長)

倉重紀久男さん(小樽観光ガイドクラブ会長)

馬場 和子さん(“押し花おばさん”・手作りケーキのネット販売)

コーディネーター:片桐 由喜さん(小樽商科大学教授・当NPOオブザーバー)

先週行われた第1回目に続く今回は、パネルディスカッション形式の講座でした。高齢化の進む小樽で、1人でも多くの方に、元気な毎日を過ごすためのヒントを得ていただければと企画されたものです。パネラーとしてお招きしたのは、市内で不凍給水栓などを開発・製造している株式会社光合金製作所会長の井上一郎さん、勤めていた総合商社を定年退職後、小樽にUターンして小樽観光ガイドクラブを設立した倉重紀久男さん、趣味の押し花を楽しみながらパウンドケーキをネット販売している馬場和子さんの3人。いずれもいきいきとしたシニアライフを送っている方々です。コーディネーターとして、当NPOのオブザーバーでもある小樽商科大学教授の片桐由喜さんが進行役を務めます。

60歳を境に社会との繋がりが段々希薄になるのが常ですが、パネラーの3人はますます社会との繋がりを深めている毎日を報告しました。井上さんは2代目の経営者として研究開発や社員教育に励んできたことや、地域の経済団体の活動、そして「伊藤整文学賞」の創設や運営に関するお話とともに、常に人づくりが大事だという点を強調しました。

倉重さんは、本州の友人が小樽に遊びに来た際に街を案内したときの経験から、もっと小樽を説明できるようになりたいと考え観光ガイドの勉強をしたことや、設立した小樽観光ガイドクラブが、今日では市内観光施設などの案内人として貴重な存在になっている点などを話されました。

馬場さんは、体調を崩して仕事を辞めたときに出合った押し花にまつわるエピソードや、パウンドケーキをネット販売する際、パソコン操作に苦労した点などを報告。今ではケーキの注文が全国から寄せられること、心あたたまるメッセージを受け止めている充実した日々のことなどもお話しされました。

★馬場さんのブログ http://blog.livedoor.jp/fruitscake_kazuko/

 

3人に共通しているのは、現在の活動の源泉は「この仕事が好きだ」という点。ディスカッションの途中には、会場の参加者の何人かに趣味について伺う時間も設けられ、パネラー、コーディネーター、参加者の一体感も盛り上がりました。

約2時間のディスカッションは、片桐先生の分かりやすく軽妙なコメントとコーディネートによりあっという間に過ぎました。帰りには笑顔で「ありがとう」と言いながら会場を後にする方が、今回はとても多くいらっしゃるように感じました。

2012.9.29 オタルまちかど大学 第2期が始まりました。

第1回:平成24年9月29日(土)
会場:小樽市生涯学習プラザ「レピオ」
「オタルまちかど大学」の第2期が始まりました。第1回目の講師は、医療法人 社団青優会 南小樽病院 病院長の矢野 諭先生で、講演のテーマは、『超高齢社会を生きる 〜求められる新しい高齢者像〜』。一般の参加者と当NPOのメンバー約50人が矢野先生の講演に耳を傾けました。
65歳以上の高齢者が7%を超えたら「高齢化社会」、14%を超えたら「高齢社会」、現在の日本は23%を超えている「超高齢社会」だ、という高齢社会の定義から始まった講演でしたが、パワーポイントの80枚の資料を提示しながらの先生の歯切れの良い講義は、特に高齢化率32%という小樽に住む私たちにとっては大変参考になる内容でした。
老人医療、求められる新しい高齢者像、超高齢社会をどのように生きるか、健康の捉え方、知的機能の低下を防ぐことは可能か、在宅医療とICTなどの多彩な内容の講演でしたが、なかでも興味深かったのは、「ウイズエイジング(With Aging)」についてです。肉体面の外見や機能を再重要視する「アンチエイジング(Anti Aging)」に対し、「ウイズエイジング」は、肉体は精神の働きを生かすための道具である、という考え方。また、時間的側面では、瞬間の謳歌(今私は若く見えるか)という「アンチエイジング」に対し、「ウイズエイジング」は、年をとることは避けられないものとして、かつ積極的価値を見出していこうとする考え方です。
新しい高齢者像としては、基本は「老いと寄り添うアンチエイジング」であり、「医療従事者として病気のリスクを高める好ましくない生活習慣を積極的に推奨することはない。しかしどのような生き方を選択するかは、最終的には個人の価値観の問題である。」と、纏められました。
高齢者自身の心のもちかた、そばにいる家族の役割、そして病院や医療従事者の方とどのように向き合っていけばよいのかを考えさせられる、大変内容の濃い講義でした。